かまがや取材日記 新発見!鎌ケ谷のたからもの 令和7年11月18日
更新日:2025年11月19日

珍しい資料が並べられた展示室
鎌ケ谷市郷土資料館で、令和7年度新資料展「新発見!鎌ケ谷のたからもの」が開催中です。
前年度に発掘、調査、整理、また寄贈された歴史・民俗資料の中から珍しくユニークなものなど約150点が展示されています。写真パネル、文書、民具、土器などでいずれも初めて公開されるものばかりです。時代的には明治~平成期がほとんどですが、旧石器、縄文時代の出土品も並べられています。
写真パネルの中にユニークなものを見つけました。昭和30年に撮られた鎌ケ谷小学校第一分校(現在の東部小学校)3年生の遠足の集合写真です。行先は羽田空港で、旅客機をバックに児童たちが並んで写っているのですが、場所は空港の駐機場内。現在ではセキュリティー上、問題がありそうですが、おおらかな時代だったのでしょう。
珍しい切手も展示されています。明治期以降、鎌ケ谷郵便局の経営に携わっていた方から寄贈された昭和初期の使用済み切手です。目を引くのは切手そのものではなく消印です。当時は消印に国の政策を周知させる標語が入れられていました。標語印というそうです。
昭和11年用の年賀切手には「選挙は正しく」との標語印が押されています。同年2月に行われた衆議院選挙への啓蒙でしょう。昭和12年の日中戦争開戦以降は、標語印も一気に戦時色が濃い内容となります。「共に一枚銃後の国債」「護(まも)りを堅めませう」「貯めよう!勝た(と)う!」などです。小さな切手に押された消印に効果があったのか疑問ですが、当時の追い詰められた状況が伝わってきます。
紙が貴重だった江戸時代は、使用済みの文書などが襖(ふすま)の下地として使われました。これを下張り文書といい、9点展示されています。江戸時代の旅館で、市内の国登録有形文化財「丸屋」の蔵からは、鎌ケ谷大仏(市指定文化財)の由来に関する記述が書かれた下張り文書が発見されました。鎌ケ谷大仏に関する江戸時代の鎌ケ谷村の史料としては初めての確認です。
このほか、昭和中期の木製のおままごと道具や旧石器時代の石器、縄文時代の土器破片なども見られます。展示品からはいろいろな思い、想像が沸き上がってきます。
令和8年1月25日まで展示され、入館は無料です。お出かけください。

鎌ケ谷小学校第一分校の羽田空港への遠足の集合写真

標語印が押された切手

木製のおままごと道具
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