かまがや取材日記 秋のほほえみ 令和2年9月15日

更新日:2020年10月7日

鎌ケ谷生まれの梨


大きく実った「秋のほほえみ」

 ありのみ(梨)の旬を迎え、千葉県内有数の産地、鎌ケ谷市内では直売店やスーパーなどでみずみずしい果実がたくさん並べられています。

 今年は7月の長雨、8月の高温のため全体的には収量が少なめでしたが、それでも店頭には8月上旬から人気品種の「幸水」、続いて「豊水」と甘い梨がお目見えしました。今は「新高」「王秋」「新興」など、暑さが和らいだ9月以降に収穫された「晩梨(おくなし)」が主流です。

 晩梨の前に収穫される品種の一つに鎌ケ谷生まれの新しい品種「秋のほほえみ」があります。「秋のほほえみ」は、鎌ケ谷出身の東洋梨育種研究家で梨指導員の田中茂さん(白井市在住)が「あきづき」と中国産の梨を交配させ十数年かけて作り出したもので、平成27年(2015)に品種登録されました。糖度が高くジューシーで、梨農家が恐れる黒星病に強い梨です。

 おいしくて栽培しやすいということで、「『秋のほほえみ』を鎌ケ谷のブランド梨に育てよう」と鎌ケ谷市梨業組合研究部に所属する若手ら約20軒の梨農家が栽培に励んでいます。昨年から本格的に取り組み、今年は約200キログラムを収穫して直売したところ、好評を博しました。

 ただ、新品種が浸透するには時間がかかります。人気のある「幸水」でも、昭和34年に品種登録されてから広く受け入れられるようになるまで20年近くかかりました。「秋のほほえみ」はやっと世に出たばかり、これからです。

 「秋のほほえみ」のブランド化を中心になって進めている梨農家の飯田展久さん(42)は、「今年のような異常気象でも甘くジューシーな品質に変わりがないことを確認できた。PRのやり方など課題は多いが、将来は鎌ケ谷梨の主力品種に育て、ふるさと納税の返礼品にしたい」と張り切っています。

 お隣の松戸市の「二十世紀が丘」は、梨の品種「二十世紀」発祥の地ということで付けられた地名です。「秋のほほえみ」も由来する地名が鎌ケ谷に付くほど有名になるといいですね。ちなみに「秋のほほえみ」の名付け親は、当時鎌ケ谷を担当していた千葉県の果樹担当普及指導員だそうです。

 今年の「秋のほほえみ」の収穫は既に終了しましたので、来年見かけたらぜひ味わってみてください。

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