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「郷土資料館って何をするところ?」シリーズ6

更新日:2020年6月11日

100年前のパンデミック 「スペイン風邪」の史料(1)

 現在の罹患者約704万人・死亡者約40万4千人(6月10日現在)と世界中で猛威をふるっている新型コロナウィルス。現状では有効な治療法とワクチンが開発されていないことから、人類にとっての大きな脅威となっています。
 さて、人類は長い歴史の中で、今回を上回るようなパンデミック(世界的大流行)を経験しています。その中でも最大級として記録・記憶されているのが、およそ100年前に大流行したいわゆる「スペイン風邪(かぜ)」でした。
 「スペイン風邪」は1918年(大正7年)から1920年にかけて、当時の「新型インフルエンザ・ウィルス」によって全世界的に引き起こされた疾病です。これによる死亡者数は、世界全体で2,000万人から4,500万人、日本では38万人から45万人と推計されています。当時の世界と日本の人口は、それぞれ約20億人と約5,500万人でしたから、いかに被害が大きかったかを知ることができます。また、このころ継続中であった第1次世界大戦の総死者数が約1,000万人といわれていますので、それよりもはるかに大規模な災害といえます。なお、現在の研究では1918年初頭にアメリカ合衆国で始まったとされていますが、「スペイン風邪」という通称が使用されているのは、スペインでの流行の様子が世界的に大きく報じられたことによります。
 新型コロナウィルスへの対処を考えていく上で、100年前の人たちがこの病気に対していかに行動したかという歴史を知ることが重要です。そのため、日本国内でも、関係する公文書や日記、新聞記事などの歴史資料を掘り起こす活動が、各地で行われています。
 郷土資料館で調査・収集した史料のなかでも、「流行性感冒(かんぼう)」と記された「スペイン風邪」の状況が記録されたものを見つけることができましたので、紹介してみます。
 各学校には、学校の歴史を記した永久保存の文書として「沿革誌」が作成・保存されています。鎌ケ谷小学校が所蔵している沿革誌の一つに「(あきら)尋常小学校沿革誌」があります。なお、明尋常小学校は現在の北部小学校の前身です。明治16年(1883)から大正11年(1922)までの事項が記載されていますが、特に明治42年以降の記事は、一人の校長が書き続けたもので、大変詳細です。学校以外の鎌ケ谷村の出来事なども書かれていて、大変貴重な記録として知られています。
 この史料の中に、流行性感冒(スペイン風邪)の記事が4か所ありました。まず、大正7年(1918)11月6日には、「この年の10月末頃から鎌ケ谷村内で流行性感冒に(かか)る者が多くあり、児童の中にも罹病(りびょう)して欠席する者が少なくない」とあります。次に、大正9年(1920)2月には3か所記載されています。このうちの2か所からは、教員の一人が感染し、約10日間の欠勤・加療の上全快したことがわかります。そして、2月6日の記事には、

流行性(悪性)感冒益々猖獗(しょうけつ)〔有害なものが猛威をふるうこと〕ヲ(きわ)ム。児童二八九人ニ付調査セシニ、咳嗽(がいそう)〔せき〕ヲ発スルモノ百四十人、風邪(かぜ)(おか)サレツヽアルモノ四十八人、健康者ハ約三分ノ一ニ過ギズ。(しか)シ死亡者ハ一人モ無シ。児童家庭ニハ流行性罹病(りびょうしゃ)ナキモノ(ほとん)ド無キノ状態ナリ〈適宜ルビをふりました〉
と学校や児童の状況が記されています。

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スペイン風邪の流行を伝える『明尋常小学校沿革史』

 ところで、スペイン風邪には流行の波がありました。世界的には、1918年(大正7年)春から夏までを第1波、1918年秋から1919年(大正8年)春までを第2波、1919年暮から1920年(大正9年)春までを第3波、とされています。日本では、第2波以降が特に猛威をふるいました。世界の流行とは若干時期がずれていますが、当時、第2波を「前流行」、第3波を「後流行」といいました。
 さて、「沿革誌」の記事のうち、大正7年のものは、まさに「前流行」が鎌ケ谷村で始まったことを示す貴重な記録といえます。なお、この「前流行」では約26万人が亡くなっていますが、著名な人物としては、「カチューシャの唄」の作詞で知られる評論家・小説家の島村抱月(しまむらほうげつ)がいました。
 そして、大正9年の記事は「後流行」の様子を示すもので、明尋常小学校では約65%の児童が感染していたことがわかります。ただ、子どもが死亡したという記事は見えません。実はこの「後流行」でも約18万7千人が死亡しています。当時の鎌ケ谷村では「スペイン風邪」で亡くなった人はいなかったのでしょうか。それは別の史料から確認できましたので、次回ご紹介したいと思います。

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