お口の健康
更新日:2020年10月2日
目次
※感染症予防以外の歯科情報はこちらをご覧ください。
歯と口腔の健康づくり
子どもの歯の健康
第1回 感染予防として、口腔ケアを
ウイルスの侵入を防ぐために「歯磨き」も大切だと知っていますか?
歯磨きをおろそかにしていると、細菌が塊となりプラーク(歯垢)となります。プラークの約1ミリグラムには、約2~3億個もの生きた細菌が存在し、むし歯や歯周病の原因になるだけでなく、全身疾患の原因となる細菌が潜んでいます。そしてこれらの細菌は、インフルエンザウイルスなどを粘膜に侵入しやすくする酵素を出すため、ウイルスによる発症や重症化を招きやすくすると言われています。
これらのことから、免疫力を正しく機能させ、様々な病気になるリスクを減らすためにも口腔ケアは大事なのです。
今回は基本的な歯磨きのポイントを掲載していきます。
~歯磨きのポイント~
(1)優しい力で磨く
優しい力とは毛先が広がらないくらい(150~200g)です。毛先を押し付けると歯と歯茎を傷めてしまうので、鉛筆の持ち方で歯ブラシを持つと優しく磨けます。
(2)細かく磨く
歯1~2本に歯ブラシをあて、1~2ミリメートル幅で小刻みに動かします。1か所20往復ぐらいを目安に細かく磨きます。
(3)順番に磨く
磨き残しがないように、磨く順番を決めましょう。
↑磨く順番の例
(4)歯ブラシの先をあてる
プラークをよく落とすための基本は、歯に対して歯ブラシを直角(90°)にあてて磨くことですが、お口の中の状況や磨く箇所に合わせて直角(90°)か斜め(45°)にして磨きます。
(5)歯ブラシを縦・横・斜めにして磨く
歯並びは人によって違います。歯並びがデコボコしている箇所は縦磨きがよいでしょう。前歯の内側は縦磨き、奥歯の内側は斜め磨き、外側全体は横磨き…など自分にとって磨きやすいやり方を探してみましょう。奥歯の噛み合わせは、かき出すように歯ブラシを動かしましょう。奥歯の裏など歯ブラシが届かないところはタフトブラシを使ってみましょう。
(6)歯と歯の間の汚れはフロスや歯間ブラシを使う
歯ブラシだけでは約50%のプラークしかとれないと言われています。フロスはホルダー付きのものが使いやすいのでお勧めです。歯茎や歯と歯の間に隙間がある場合は、隙間の大きさに合った歯間ブラシを使いましょう。
※毎回できない人は寝る前にはやりましょう!
(7)舌で触って磨き残しをチェック
磨き残しがあるか、舌で歯を触ってみましょう。歯の表面がツルツルしていればプラークは落ちています。プラークがちゃんと取れているか確認したい場合は、プラークに色をつけて確認できる液体(歯垢染色剤)を使って確認する事もできます。
(8)最後に舌磨きも忘れずに
舌の表面の汚れを「舌苔(ぜったい)」と言います。鏡で見た時に舌の表面が真っ白な場合は舌苔がついています。これもプラークの塊で、口臭の原因になったり、味覚も感じづらくなってしまいます。舌ブラシを奥から手前に動かし軽くなでるように使います。1日1回、できれば起床時に行うとよいでしょう。
外出自粛で、生活リズムが変わると歯磨きがおろそかになりがちです。身体への入り口は「お口」です。その入り口が不衛生であれば健康を保つことはできません。感染症予防のためには「手洗い・うがい・歯磨き」が重要です。ご家族の皆さんで取り組みましょう。
第2回 だ液の効果
だ液にはお口の中を潤す以外に、多くの効果があるのをご存知ですか?
だ液は口腔内の細菌の増殖を抑え、口臭、むし歯、歯周病など様々なトラブルから守ってくれています。
だ液のはたらき~スゴイ!だ液のパワー~
- 歯や歯間に付着した食べかすやプラーク(歯垢)を洗い流す
- 口の中の細菌の増殖を抑える
- 酸性に傾いたお口腔の中を中性に戻し、むし歯を防ぐ
- 溶けかかった歯の表面を修復し、むし歯を防ぐ
- デンプンを分解し消化を助ける
- 粘膜を保護し、発声をスムーズにする
- 味を感じさせ、噛み砕いたり飲み込んだりしやすい塊にする
このようにだ液は、私たちの知らないところで多くの効果を発揮し、活躍しています。
今回はその中でも、『細菌の増殖を抑える効果』に注目しました♪
だ液中にはIgAと呼ばれる抗体が含まれています。
IgAは免疫物質の一種であり、だ液をはじめ、母乳、涙、腸内などに存在しており、口腔や腸管内などの粘膜面で病原体の感染に対して防御しています。
だ液のIgAが低下していると、風邪をひきやすくなるなど、呼吸器系の感染症にかかりやすい状態になると言われています。免疫を高めるためにだ液をたくさん出すということは、非常に効果的なのです!
だ液の分泌
通常、健康な成人では、1日あたり平均1.0~1.5Lものだ液を分泌していると言われています。 だ液の分泌は寝ている間は減少します。このとき、だ液の作用とその機能も低下するため、口腔内の細菌が増殖します。口腔内に歯周病菌などの病原菌があると、ウイルスが粘膜細胞に侵入しやすい状態になり、感染がおこりやすくなります。そのため、夜寝る前と、朝起きた時のお口のケアは非常に大切なのです。
具体的なお口のケアについては、第1回の記事に載っています。ぜひ合わせてごらんください♪
次回、だ液を出すのにも効果的なお顔の体操や、だ液腺マッサージをご紹介します。
第3回 だ液をたくさん出すには
第2回では、だ液のもつパワーについて掲載しました。そこで今回は、だ液の分泌を促す方法について、お話したいと思います♪
だ液はだんだん減る?
私たちのお口の中を常に潤しているだ液ですが、様々な原因で分泌量が減ってしまいます。最も大きな原因は、年を重ねるにつれ、だ液腺細胞が減少していくことがあげられます。また、だ液中の重要な成分も減っていくので、細菌などに対する抵抗力が弱くなっていくとも言われています。
他にも、
生活習慣や環境によるもの 口呼吸、ストレス、口腔が不潔な場合、乾燥した室内 など
病気や服薬によるもの シェーグレン症候群、糖尿病、降圧薬
など、一時的なものから疾患によるものまで、様々な理由でだ液が少なくなってしまうことがあります。
どうやってだ液を出すの?
だ液の分泌を促すためには、お口の中に3つあるだ液がよく出てくる場所(だ液腺)をマッサージすることが効果的です。
だ液腺マッサージ
他にもよく噛むことや、お口の中を刺激することでだ液の分泌が促進されます!舌を動かしたり、頬を動かすことも効果がありますので、ぜひ、おうちにいる時間で「きらり鎌ケ谷かお体操」を行いましょう。きらり鎌ケ谷かお体操(PDF:415KB)
次回は、だ液分泌にもつながりのある「噛むこと」について更新予定です。
PDF形式のファイルを開くには、Adobe Acrobat Reader DC(旧Adobe Reader)が必要です。
お持ちでない方は、Adobe社から無償でダウンロードできます。
Adobe Acrobat Reader DCのダウンロードへ
問い合わせ
健康福祉部 健康増進課 成人保健係
〒273-0195 千葉県鎌ケ谷市新鎌ケ谷二丁目6番1号 総合福祉保健センター1階
電話:047-445-1405
ファクス:047-445-8261
