ありのみ便り 令和2年10月15日号

更新日:2020年10月21日

スペイン風邪


 新型コロナウイルスの感染拡大が止まりません。累計感染者数(10月5日時点)は全世界で3500万人以上、日本全体では8万人以上となっています。鎌ケ谷市内でも90人以上の感染者が確認されています。

 人類は歴史上、今回のようなパンデミック(世界的大流行)を幾度も経験しています。約100年前には新型インフルエンザ・ウイルスによる「スペイン風邪」のパンデミックに見舞われました。世界の感染者数は全人口の約3割あるいは5億人ともいわれ、死者数は2000万人から4500万人と推定されています。日本では約2300万人が感染し38万人から45万人が亡くなったとみられます。数字の幅が大きいのは、流行が第一次世界大戦の混乱期と重なり正確なデータがないからです。それにしても恐ろしい数字です。

 市ホームページには、市郷土資料館の学芸員が保存資料などを基にスペイン風邪について書いたコラムが載っています。読むと、当時の鎌ケ谷村でもスペイン風邪が大きな脅威だったことがわかります。

 例えば、明(あきら)尋常小学校(北部小学校の前身)沿革誌の大正9年(1920)2月の記事に「(児童の)健康者は約三分の一に過ぎず」と記録されていることを紹介しています。また、鎌ケ谷村事務報告書では大正7、8、9年の死亡者数が平年より増えており、これは多くの人がスペイン風邪で亡くなったためだろうと推定しています。このほか、市郷土資料館には、村長が軍に入隊する若者に「入隊前に船橋警察署でワクチンを2回接種するように」と通知した文書も保存されているそうです。

 ワクチン接種が警察署で行われていたとは奇異な感じを受けますね。ただ、スペイン風邪が新型インフルエンザ・ウイルスによって感染すると確認されたのは後年のことですので、ワクチンは効かなかったようです。

 当時は有効な対策がなく、患者の隔離、マスク着用、手洗い、集会の中止など人が行動に気を付けることで対処するしかありませんでした。100年前の状況は、新型コロナウイルスの特効薬、ワクチンが開発されていない現在と似ています。
 郷土資料館のコラムをお読みになりたい方は、市ホームページをご覧ください。(スペイン風邪に関するコラムは、シリーズ6シリーズ7シリーズ8に掲載されています。)



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