更新日:2022年1月4日
一般に、感染症にかかると、原因となる病原体(ウイルスや細菌など)に対する「免疫」(抵抗力)ができます。免疫ができることで、その感染症に再びかかりにくくなったり、かかっても症状が軽くなったりするようになります。
予防接種とは、このような体の仕組みを使って病気に対する免疫をつけたり、免疫を強くするために、ワクチンを接種することをいいます。
ファイザー社、モデルナ社、アストラゼネカ社などが、ワクチン開発を手掛けています。試験の結果、ワクチンを投与された人の方が、投与されていない人よりも、新型コロナウイルス感染症を発症した人が少なかったと発表されています。
この結果、米国や英国では、ファイザー社等のワクチンの緊急的な使用が認められ、接種が開始されています。
日本政府は、これらの製薬企業3社から合計で2億9,000万回分の供給を受けることについて合意をしています。1人に2回接種を行うとした場合1億4,500万人分となります。
また、ワクチンが国内で承認され、供給できる準備が整った際に、出来るだけ早く、皆さまにワクチンを提供できるよう準備しています。接種を希望される方々は、無料で受けることができます。日本では、ファイザー社のワクチンが令和3年2月14日に薬事承認されました。
一方で、全国民分のワクチンを一度には確保できず、徐々に供給が行われることになります。このため、国が一定の接種順位を決めて、接種を行っていく見込みです。
接種を受ける時期に供給されているワクチンを接種することになります。また、複数のワクチンが供給されている場合も、2回目の接種では、1回目に接種したワクチンを同じ種類のワクチンを接種する必要があります。
妊娠中、授乳中、妊娠を計画中の方も、新型コロナワクチンを接種することができます。
ただし、妊婦又は妊娠している可能性のある女性には、海外の実使用経験(注釈1)などから現時点で特段の懸念が認められているわけではありませんが、安全性に関するデータが限られていることから、接種のメリットとデメリットをよく検討して接種を判断していただくこととしています。
なお、日本産婦人科感染症学会・産婦人科学会からは、「感染リスクが高い医療従事者、重症化リスクがある可能性がある肥満や糖尿病など基礎疾患を合併している方は、ワクチン接種を考慮する」と提言されています。
また、授乳中の女性については、現時点で特段の懸念が認められているわけではなく、海外でも接種の対象とされています。ワクチンを接種するかお悩みの方は、主治医とご相談ください。海外の動向などについては、厚生労働省ホームページ「(外部サイト)
妊娠中の方・授乳中の方について」(外部サイト)をご覧ください。
現在、ファイザー社等は妊婦を対象とした新型コロナワクチンの臨床試験を海外で実施しています。
2月16日までのデータで、少なくとも1回以上同ワクチンを接種した妊婦は3万人を超えており(注釈2)、局所反応や全身反応について、妊娠されている方と妊娠されていない方の間で大きな差はなかったこと、流産等の妊娠に特有の問題については自然発生率(新型コロナワクチンが導入される前に起きていた頻度)と比較して大きな差異はなかったこと等が報告されています。
(注釈1)2021年3月1日に、米国疾病予防管理センター(CDC)の予防接種諮問委員会(ACIP)にて、新型コロナワクチンの妊婦への安全性について、米国の最新情報が発表されました。
(注釈2)V-safeという、SNSを利用したワクチン接種後の安全性調査に登録して接種した妊婦の数。
基礎疾患を有する者の範囲については、審議会において現時点の科学的知見等に基づいて検討され、現時点では以下の範囲とすることとされています。今後、国内外の新たな科学的知見等も踏まえ、同部会で検討し見直すことがあります。
(1)以下の病気や状態の方で、通院、入院している方
(2)基準(BMI30(注釈)以上)を満たす肥満の方
(注釈)【BMI30の目安】身長170センチメートルで体重約87キログラム、身長160センチメートルで体重約77キログラム
新型コロナワクチンの詳しい情報は、以下のリンクをご覧ください。
(1)「新型コロナワクチンについてのQ&A」(厚生労働省ホームページ)(外部サイト)
(2)首相官邸ワクチン特設ページ(首相官邸ホームページ)(外部サイト)